バンコク、National Stadium駅前にあるアパートKrit Thai Mansionに滞在してみました。一応、ホームページがあり、料金等も掲載されていますが、最新の情報ではありませんでした。現在、1泊800バーツ。1週間泊まると5,040バーツ。つまり1泊あたり720バーツになります。
日本からメールで予約しようと思いましたが、うまく届かないようでした。そこでタイに住んでいる友人とMSメッセンジャーでチャットしているとき、その場で電話してもらって予約しました。到着時刻が夜遅い場合には1泊分のデポジットが必要で、指定銀行口座に振り込む必要があるようです。僕は、そこまで友人に負担をかけたくなかったので、1泊めはインターネット予約できるホテルに泊まり、翌日からの予約を取ってもらいました。
部屋はダブルとツインがあるようです。フロアによって、禁煙ルーム、喫煙ルームに分けているようで、チェックイン時にどちらが良いかときかれ、禁煙ルームとお願いしたら8階のダブル部屋になりました。カーテンを閉めていると室内は薄暗いのですが、隣のビルから丸見えになりそうなので、あまり開けることはできませんでした。部屋にはテレビと小さな冷蔵庫があります。テレビはタイ語放送を見ることができます。部屋に入ったときには、テレビも冷蔵庫も電源が抜けていました。
ここはアパートのようなホテルのような管理体制で、鍵はフロントに預けて外出します。僕が外出すると、フロントでは部屋のエアコンの電気を切ります。フロントにはたくさんのスイッチが並んでいるんです(笑)戻ってきてフロントで鍵を受け取ると、エアコンの電源をオンにしてくれます。つまり、外出中、エアコンを入れたままにして部屋を冷やしておこうなんてことは許されないわけです。電話は10分ごとに切断されるため、インターネットに接続していた僕は、最初、なぜ切れているかわからず、何度も接続しなおしてしまいました。無駄でした。1通話8バーツ。
下水管の掃除をされていないようで、部屋に入ったばかりのときは、下水管のニオイがトイレに充満していました。シャワーを浴びたりして、水を流すと、下水管から上げってくるニオイが少しおさまります。でも、しばらく水を流さないでいると、またニオイがあがってきます。
当初は、このニオイが気になって、もうここには泊まらないかなと思っていましたが、数日滞在しているうちに、ニオイに慣れてきました(笑)人間は順応性がある動物ですね。
1階(正確には1階は駐車場なので、フロントは2階になりますが)のフロントの前にはレストランがあります。このレストラン、24時間営業で、いつでも食事ができます。また、ルームサービスとして注文して部屋で食べることもできます。部屋から注文すると10%のサービスチャージがかかりますが、カオパック(チャーハン)、お粥などは50バーツくらいの値段ですので、10%のサービス料と言っても大した金額にはならないでしょう。味は、まぁまぁという感じでした。
とにかく、場所が便利です。MBKまで徒歩5分。BTS駅は目の前なので改札まで2分かからないくらい。でも、部屋は古くて、イマイチです。街の中心に滞在したいという意味での便利さを追求するなら、かなりオススメの物件です。
携帯電話SIMカードの登録、本日開始
あなたはタイの携帯電話SIMカードを持っていますか?
タイ南部でのテロ活動で爆弾の起爆に携帯電話が使われることが多いため、タイでは本日(2005年7月1日)からプリペイド式のSIMカードでも、その所有者を登録しなければならなくなりました。
手続きは簡単です。パスポートを持って、携帯電話会社のカウンター、警察署、またはタイ政府官公庁に届け出ればOKです。(このほか、FAXでコールセンターに届け出る方法もあるようですが、その方法の詳細は各携帯電話会社に問い合わせてください。)
僕は先日、すでに、Central World PlazaにあるAISのオフィスに行って届け出てきました。入り口のお姉さんに、携帯電話の登録をしたいと告げると、専用のデスクに案内されました。用紙に、姓、名、携帯電話の番号、国籍、パスポート番号を書き署名をして終わり。その用紙に記入された内容を係りのお姉さんがパスポートの記載事項と照合。これでOKとなりました。
今年中に登録を済ませないと、そのSIMカードは使用できなくなるとのことです。「そういう法律があるわけじゃないので、まだどうなるか分からない。タクシン首相は携帯のユーザーが減ると困るから、あまり厳しくできないはず」というタイ人(僕の友人)もいますが、治安維持のためには徹底しなければ意味がないし、SIMカードが使えなくなったらタイ人は新しくSIMカードを買うでしょうから、それはそれで売り上げにつながるかも。
とくにやましいことがないなら早めに届出しておくことをオススメします。
また、今後は、簡単に不要になったSIMを他人に譲ることもリスクがある行為になりますので注意しましょう。
GPS付タクシーの使い方
バンコク夜遊び娘に朗報です。バンコクで夜遊びした後、問題になるのがタクシーで帰ること。バンコクのタクシーは身元がはっきりしない車も多く、これまでいろいろな事件も発生しています。タイ人女性も、夜、一人でタクシーに乗るのは危ないと言っています。まして、お金持ちと思われている日本人女性が一人で乗るのは、ちょっと危険度が増すかも知れません。
バンコクの日本人向けフリーペーパーDACOを読んでいたら、最近、GPS付タクシーが走っているそうで、月に200台ずつ増えているそうです。そして、このタクシー、GPSを積んでいるために、タクシーのコールセンターからモニターすることも可能だそうです。DACOの記事をまとめると、夜遊び娘なあなたがすべきことは、まず、帰りたいと思ったら1681(コールセンター)に電話して、GPS付きのタクシーを配車してもらこと。そして、コールセンターのオペレーターに目的地に着くまでモニターするように頼むこと。こうすれば、ドライバーもモニターされていることは分かっているでしょうから、変な行動をしにくくなるというわけです。
それでも、やっぱり挑発的な服装や金目のものをちらつかせるのは慎むべきでしょう。それから万が一のために、タクシーナンバーを控えることも重要です。
そして、もしもモニターしてもらったら、目的地に到着後、オペレーターに再度電話して「無事に着きました。ありがとう。」を言うことも忘れずに。もちろん、男性がこの方法でセキュリティを高めてもOKだと思いますよ。お試しください。
運河を駆ける庶民の足
バンコクにフィールドワークに行っていたある日の朝、そろそろ起きようかと考えていた午前9時頃、携帯電話が鳴りました。タイ人の友人からの電話でした。
「きょうは何か予定あるの?ないなら映画を見に行かない?バンカピのザ・モールで10時30分に会いましょう」
ん? バンカピ? どうやって行けば良いの?
「船に乗れば簡単だよ。プラトゥナームに船着場があるでしょ?あれに乗れば簡単に来れるから。」
あ、そうか。船か。OK。じゃ、10時半ね。
電話を切った後、だんだんに目が覚めてきて、そんな船に乗ったことがないなぁと、やや不安になりました。が、もう考えている時間もありません。とにかくすぐに行かないと約束の時間に間に合わないので身支度を整えて出発です。このとき、国立競技場の向かい側にあるアパートに住んでいたので、まずはプラトゥナームまで、どう行くかを考えなくてはなりません。歩けなくもないですが、30分以上の時間がかかる上に暑いので、この選択肢は選べません。BTSでChitLomまで行って、プラトゥナームまで歩くという方法も考えましたが、これも結構歩く距離があり、時間がかかります。結局、タクシーでプラトゥナームまで行きました。
船着場は運河(San Saeb運河)の両側にあります。そうです。どうやら、ここは東方向に向かう船と西方向に向かう船の始発になっているようです。最初、なんとなく降りてしまった船着場は運河の北側でした。よくよく考えると、船は右側通行が原則です。つまり、北側というのは、西方向に行く船に乗るための船着場。階段を下りてすぐ、そのことに気づき、反対側の船着場に行きました。
すると既に船は停泊中。お客さんも20人ほど、乗っていました。果たして、これがバンカピのザ・モールまで行くんでしょうか。なんだか3人ほど、お揃いのポロシャツを着ているおじさんが船着場の端にいたので、きいてみたところ、どうやら行くようで、船に乗れと言うので乗ってみました。
船には板で作った椅子が設えてあって、みんな真ん中から座り始めます。その理由は、船が走り出すと、水しぶきが飛んでくるため、なるべく被害が少ない真ん中に陣取ったほうが良いということなんだと思います。しかし、実際に乗っていると、途中にとまる船着場は、左右、どちらの場合もあるため、乗客は左右どちらからも乗ってきます。人が乗ってくると、自動的に横方向にズレて詰めてあげることになり、最初に中心にいても、だんだん、どちらかに寄ってしまうこともあります。
船の中を見ると、何やら両側に座っている人の中に、紐をひっぱっている人がいます。この紐を引くと、船体に沿って張ってある青いビニールシートが上に上がる仕掛けになっています。船が動き出すと、これをひき、水しぶきが船内に飛んでくるのを防ぐ仕掛けになっているようです。しっかりとひっぱってシートを上に張れば、かなり水しぶきは防げますが、乗降客がいるたびに、これを下まで下げるので、上まであがっていないこともあり、そういうときに限って、激しく水しぶきがあがったりします。
プラトゥナームからバンカピまで16バーツ。時間は30分ほどだと思います。なかなか便利な乗り物ですが、水しぶきがかかる確率はかなり高く、しかも、この運河の水はかなり汚いことは覚悟する必要があります。また、雨の場合にも、かなり乗り心地が悪いと思います。おススメは、天気が良い日のラッシュ時以外の時間帯。タイの庶民の足を体験することができます。
かる~くないとダメなのよ
皆さんは旅行のとき、荷物をどれくらい持っていきますか?
旅行かばんは何をお使いですか?
初めて海外旅行に行ったときから、僕は海外に行くときにはスーツケースを使っていました。それも、スーツケースの超有名ブランド「サムソナイト」を使うことが多かったです。2005年3月にタイから(フィリピン経由で)帰国したときには、サムソナイトのスーツケース2個(大と中サイズ)を持って帰ってきました。もちろん、荷物はそれだけでなく、郵便局から船便で6箱ほど送りました。
タイから帰国する際に僕の頭を悩ませたのは、スーツケースが2つあることでした。細かい事情は省略しますが、とにかく行くときに2つのスーツケースに荷物を詰めて持っていったので、当然のことながら、帰るときにもこの2つのスーツケースがあったのです。2つあれば、たくさん荷物が入って良いと思うでしょ?ところが話はそう簡単にいかないのが世の中です。
アジア内での航空機エコノミークラスに乗る場合、預け入れできる荷物には重量制限があります。20キログラム。個数制限はありませんが、とにかく総重量20キロまでしか預けることができません。(日本から北米に行く場合の太平洋線では、個数制限はスーツケース2個となっていますが重量の制限はないと思います。)
さて、20キログラムの荷物が預けられるというわけですが、困ったことにスーツケースにも重さがあります。大きなスーツケースが7キロちょっと、中くらいのスーツケースが4キロちょっとの重さがあります。合計12キロくらいでしょうか・・・・って??
実際にスーツケースに詰め込める荷物の重量は8キロくらいしかないということになります。トホホです。これでは空のスーツケースを運ぶようなものです。そこで仕方なくビジネスクラスにアップグレードして重量制限を30キロにして、やっとの思いで帰国したのでした。
そして、僕はこのときつくづく思ったんです。RIMOWAのスーツケースを持っている人は、単にかっこつけているわけじゃないんだな、と(笑)
スーツケースは軽いことにも価値があることがあるんですよね。そして決意したんです。次の旅からはRIMOWAのスーツケースを買って使うおうと。
そして6月始め頃、ネットであちこちの店の値段を調べて、結局、そのなかの1軒のリアル店舗で購入したのが、このRIMOWA Salsa Plus No.6284(本体重量4.4キロ、容量87リットル)です。素材はポリカーボネイトなので外からの圧力で凹んだりしますから貴重品をむき出しで入れると壊れるかも知れませんが、貴重品はハンドキャリーか十分にパッキングすれば良いでしょう。ほぼ同じデザインで2輪キャスターのものがあり、そちらのほうが重量は軽く、値段も安いのですが、運ぶときの便利さを考えると4輪キャスターですよ、という店員さんの薦めにのって、4輪キャスターにしました。このお店、日本の正規代理店からの仕入れにもかかわらず定価の2割引きで売ってくれたので、かなり満足でした。
しかし、結局、87リットル、びっちりと荷物を入れると、かなりの重量になると思うので要注意ですね。ビジネスクラスやファーストクラスにしか乗らない人には、こんな悩みないでしょうが、僕にとっては重大な問題でした。
海図
海図
この写真、なんだかおわかりですか?
地図?
地面の場合には地図なんですが、これは海の図面なので「海図(かいず)」です。
厳密に言うと、この写真には「練習用海図200号」と呼ばれているものの上に、ディバイダーという製図用具がのっているのが写っています。「練習用海図200号」は、日本で船舶操縦の勉強をするときに使われている海図で、この200号の他に150号も有名です。
海図には船が航行するために必要となる情報が盛り込まれています。
海の深さ、暗礁や沈没船の場所、灯台の光り方などが記号化されて記されています。
船を航行中、この地図とコンパスを使うことで、自分の船の位置を割り出したり、潮の流れの方向や速度を割り出したりできる、かなり優れモノの道具なんです。
実は、僕は小型船舶操縦免許1級(特殊特定)を持っています。
でも、ペーパー・キャプテンです。
ペーパー・キャプテンを目指しているわけではないですが、レジャー・ボートはレンタルするだけでも、かなりの費用がかかります。ぜひ、レジャー・ボートを持っている友だちを作りたいと思っています(笑)が、世の中、そんなに簡単ではないので、今は、ボートに乗れるチャンスが来る日を待っています。
しかし、免許を取るときに操縦の練習をしたり、実技試験を受けたりして、少しは操縦経験はあります。
そのとき、船の操縦と自動車の運転が大きく違うことを感じました。僕たちが自動車を運転するときには、ふつうは道路を走ります。しかし、海や湖の上には道路はないのです。つまり、船を操縦するというのは、自分で進む道を作っていかなければなりません。そして、他船のキャプテンも独自の進路を決めて操船しているわけですが、それは僕にはわからないのです。
そのため、船の場合、お互いの進路の関係によっては、相手の進路を妨害しないように航行する(避航する)行動が要求されます。
小型船舶操縦免許をとって、船舶操縦と(おそらく航空機も)自動車運転には、認知科学的な大きな違いがあるだろうということがわかりました。また、船舶は自然の影響をとても強く受ける乗り物で、自然をより身近に感じる乗り物であるということもわかりました。
基本的には、ペーパーキャプテンな僕ですが、いつか、クルージングに出たいと思っています。
BKKのホテル探し
今月、バンコクに行くことにしました。
たぶん2週間くらいの滞在になりそうです。
そこで、泊まるところを確保しなくてはいけないのですが・・・。
え?
まだ予約してないんですよ(笑)
へへっ。
何もしてなかったわけじゃないんですが、以前に泊まったことがあるサービスアパートにメールしたり、タイの友人に安いアパートに電話をかけてもらったりしてました。でも、それぞれ問題あったり、部屋が空いてなかったりで、いまだに決まらずにいます。
それで、ついに、インターネットでホテル予約を敢行しようと思います。
サービスの名前は、Precision Reservations.comです。
このサイト、たまたま知って、いま、このブログのカテゴリアーカイブのページなどにバナーを表示していますが、「最安値保証」のサイトだときいて、リンクの代わりにバナーを貼っています。
ちょっと、このサイトでTrinity Silom Hotelを見てください。
3つ★ホテルなのに1泊21ドルと出ています。だいたい800バーツちょっとですよね。
じゃ、インターネットで予約すれば、どのサイトからでも、このホテルは安いんじゃないかと思って調べてみるわけですよ。で、eHotelBooking.comというサイトで見たら、同じ部屋が1200バーツでした。
AsiaRooms.comで見たら25ドル。
こう見てみると、Precision Reservations.comは、少なくとも、かなり底値に近いようなので、実際に予約してみることにしました。
現在、予約手配中で、ホテルによっては予約確認が取れるまで1、2日くらいを要するようです。このサイトのもう一つの良さは、24時間、365日のオンラインカスタマーサポートです。
これもさきほど実験してみました。
日本語を選んでみたところ、ちゃんと日本語チャットで質問に答えていただけました。
これだけちゃんとやっているサイトだと安心感がありますね。
あとは、予約が問題なく行われるかどうかです。
この結果は、帰国後に追記したいと思います。
ところで、特にタイのホテルの場合、予約するルートによって、宿泊料が全然違ってしまいますから、いろいろなところで宿泊料をチェックしてみることをおすすめします。ホテルによっては(特に高級ホテルの中には)タイ国外から予約したほうが安い場合もあるようです。また1週間以上の滞在の場合は、アパートやサービスアパートの1週間、1ヶ月の料金を探してみるという手もありだと思います。
タイ語の番組が始まります
本日からNHK教育テレビで、タイ語の番組が始まります。
と言っても、5分間のミニ番組ですが・・・。
アジア語楽紀行
タイ語の前には、「バリ・旅するインドネシア語」と題して、インドネシア語が放送されていました。
「旅するタイ語」
放送時間 火・水・木後11・55~深夜0・00
教育テレビ 本放送 5月31日~6月23日 再放送 6月28日~7月21日
どんな番組構成なのか、楽しみですね。
98.5エフエム
2005年2月、バンコクの中心地、エラワンとCentral World Plaza(旧World Trade Center)が向かい合っている交差点の近くを歩いていると、雨でもないのに傘をさしながら交差点周辺を歩いている赤いお姉さん3人組を発見しました。
なんだろう?
よく見ると、傘には「98.5 F.M.」と白地に青く書かれていて、お姉さんたちは歩行者用信号が青になるたびに、横断歩道の真ん中まで歩いてきて、傘を持ってポーズをとっていました。
これって、FM放送局のプロモーションなんですね、きっと。バンコクでは自動車の渋滞は当たり前ですから、ドライバーのラジオの聴取率も高いのでしょう。そう思って『バンコク便利帳』(2003)を開いてみると12のFM放送局が載っていましたが、98.5MHzのFM放送局は載っていませんでした。ということは新しい放送局?
そんなことはともかく、バンコクのほとんどの交差点には警官が詰めている交番のようなものがあって、その中で信号機の切り替えを手作業で行っているんですが・・・そんなお仕事中のお巡りさんのまん前で、こんな格好で、横断歩道の真ん中でポーズを取っていても、別に何も言われないようでした。
さすが、メイペンライの国だなぁという思う一コマでした。
スターアニス (Star Anise)を探せ!
★スターアニス(Star Anise)は、和名を「トウシキミ」、中国では「八角茴香」、「大茴香」と呼ばれ、日本でも一般に「八角」と呼ばれている。中華料理の香辛料「五香粉」の材料で、独特の香りをもっている。
バンコクに住んでいたある日、大阪に住んでいる友だち(妹分)からメールが来た。
「ねぇ、お兄ちゃん、タイで八角を安く買えないのかな。
仕事で必要なんだけど、日本では高くて・・・」
なんで彼女が八角を必要としているのか、最初、まったくわからなかった。僕の中では八角はスパイスの一種。花屋さんを家業としている彼女には、あまり関係ないと思ったから。まさか、中華料理屋に転職!?そんな話も聞いてないし・・・。さらに、シナモンスティックも必要だと言っている。なぜなんだろう。喫茶店もやっているのか!?
彼女が八角とシナモンスティックを必要としている理由はともかく、八角は中華で使うスパイス。タイにはたくさんの中華系タイ人が住んでいるし、いろいろな物資が中国から輸入されているのだから、八角もあるに違いない。しかし、一つ、重大な問題がある。八角をタイ語でなんというのかわからない。シナモンスティックも八角もバンコクで探すためには、タイ語でなんというかわからなければ発見できないだろう。
そこで、まず、インターネットで検索して、英名と写真が出ているサイトを探し出し、プリントアウトしてみた。調べてみると、間違ったものの写真を掲載しているサイトもあったが、正しいサイトを2つくらいずつプリントアウト。ちょうど、その頃、習っていたタイ語の先生は年配のタイ人だったので、この人たちにこの写真を見せてタイ語の名前を教えてもらった。
もしもあなたが花屋さんなら、もうすでにピンときているだろう。後で彼女にきいた話によると、八角やシナモンスティックはクリスマス・リースを作るときに使う材料なのだそうだ。そういえば、八角やシナモンスティック、クリスマス・リースについているような気がするが、そう言われるまで、スパイスがリースに使われているなんて考えていなかった。
さて、バンコクで食材を探すとしたら・・・。まず行ってみたのは、クロントーイ市場。午前2時頃から活況となるバンコクの台所と言った市場だが、ここで見つけたのは既に粉になっているスパイス。料理するときには、そのほうが使い易いだろうが、クリスマス・リースに使うためには原形でなければ意味がない。しかも、大量に買う必要があるわけだから、ふつうのスーパーマーケットで小分けにして売られているものを買うのも不経済だ。
こうなれば、やはり、あそこしかない。バンコクの中華街「ヤワラート」。中華街のどこにスパイスの店があるのか、知っているわけではないのだが、中華街にないはずがない。ある土曜日の昼間、タクシーでヤワラートに向かった。
タクシー・ドライバーに、中華街の中の市場に連れて行ってくれとタイ語で頼んだ。降ろされたのは、小さな路地の両側に、さまざまな食材屋が並ぶところだった。こんな怪しげな市場でいいのかなぁ。それ以前に中華街に来たときにも、この路地を歩いたことがあった。しかし、ここにスパイス屋なんてあるのか?
スパイス屋は意外に簡単に見つかった。最初、あまりにも雑然と物が売られていて何屋だかわからずに通り過ぎてしまったものの、大きなスパイス屋だったので見つけることができた。しかし、その路地にあるスパイス屋は、その店1軒だけで、あまり苦労せずに見つかったのは幸運だったような気がする。
店のマネージャーっぽいおばちゃんに海外への配送をしていないのか聞くと、日本には取引先があるからそこから買ったほうが良いと言われた。その取引先というのは、横浜中華街にある中華食材の輸入会社のようだった。しかし、日本の会社を通したら価格が高くなってしまうことは明らかだ。この店と直に取引しなければメリットが減ってしまう。この店としても、大口取引でない限り、輸出手続などの面倒なことはしたくないということなのだろう。
ちょうどその翌週、一時帰国を予定していた僕は、ハンドキャリーで少し持っていくことにした。
シナモンスティックと八角をそれぞれ2キロずつ。シナモンスティックはキロあたり45バーツ、八角は90バーツ、2キロずつで合計270バーツだった。全部で1000円もしない。日本で同じ量を買ったら何万円なんだろうなぁ。翌週、僕は八角の香りがするスーツケースを持って成田空港に降り立った。