タイ式挨拶 ワイ

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タイ人は子どもの頃から、特に目上の人に対しては、ワイと呼ばれる合掌の挨拶を躾けられています。「ちゃんとキレイなワイをしなさい」と言わると、小さい子は一生懸命に合掌をしてみせます。
タイに旅行に行くと、ホテルに着いたとき、レストランに入ったときなど、いろいろな場面でワイをされると思います。実は欧米の習慣になじんでいるタイ人は、外国人に対しては、あまりワイをしたりしないのですが、観光産業に携わっている人たちは、タイらしさを見せるために、外国人に対してもワイをします。
一方、タイ人同士の場合は、ワイはとても重要なもので、基本的には相手への尊敬の念を表しているので、特に目上の人に対するワイは欠かせません。
マクドナルドにいるロナルドのワイは通常レベルのワイですが、人に会ったときには、このように合掌して、首から上を前に倒して会釈します。このとき、指はきれいにのばしてするのが良いのですが、何か物を持って歩いているときに人に会ったときなどは、物を持ったままでもワイをします。
かなり目上の人に会ったときには、この合掌の位置を上にあげます。相手の合掌している親指が鼻の穴のすぐ下にまできているときには、その人はあなたに対してかなりの尊敬を示していると言えるでしょう。通常、ワイは目下の者から先に目上の人にします。
日本人であるあなたがタイ人にワイをされたら、どうしたら良いでしょう?
あなたが観光でタイを訪れているなら、相手はあなたがワイを返すことは期待していないでしょうから、にっこりと会釈する程度で十分に気持ちは伝わります。ワイを返してあげるのは良いですが、あまり丁寧過ぎたり、自分から先にワイをしてしまうと、ちょっと変に映ってしまいますので気をつけましょう。
しかし、もしもあなたが仕事などのために長期でタイに住んでいるなら、礼儀として、ワイを返すことを覚えたほうが、タイ人に受け入れられると思います。
あなたが上司である場合、自分から先にワイをしてはいけませんが、相手がワイをしてきたら、ふつうのワイを返してあげましょう。また、お寺などに行って、お坊さんに会ったら、あなたからワイをしましょう。
もちろん、あなたは外国人ですから、ワイをしなくても間違った行動とは言えません。でも、タイ人はそういう細かいところを、しっかり見ています。特に多くのタイ人と仕事をしている人は、タイやタイ人への尊敬を表す意味で、必要な場面では、きれいなワイができると良いと思います。
会議やセミナーなどで中座しなければならないとき、タイ人はドアのところで、話している人やセミナー講師に向かってワイをします。また、僕は上司が電話中のときに先に帰宅するときに、ワイをして職場を出たりしたこともあります。声をかけられないときにも、相手への敬意を表して挨拶ができるワイは、人間関係を大切にするタイ人にとって、とても重要なものなのです。