~首長族(カレン族)の村を訪ねて~

チェンマイからの1日ツアー
~首長族(カレン族)の村を訪ねて~
 

チェンマイの街を歩いていると、さまざまなツアー広告を目にすることができる。チェンマイからでるトレッキング・ツアーも有名で、3日間、トレッキングしたり竹の筏で川下りをしたり象に乗ったりする盛りだくさんなツアーもあるが、かなりのサバイバル・ライフだろうと思う。友人と僕は限られた時間という制約と悪天候の中を歩き回るのは負担が大きいとの判断から車で回る1日ツアーを選ぶことにした。1日ツアーにも、ドイステープや手工芸工場を中心としたもの、国立公園を見るもの、象サファリ、象のショーを中心としたツアーなど、いろいろあったが、首長族として有名なカレン族を含むいくつかの山岳民族の暮らしぶりを見たり、お寺や洞窟を見るというコースに決めた。
パンフレットには1500バーツと書かれていたが、1300バーツで良いと言われた。が、他のツアー屋で1100バーツだと指摘すると、1100バーツにしてくれた。果たして、ツアーの主催者は同じ会社なのだろうか?真実はわからないが、まぁ、ツアー料金の相場はそのあたりである。

まずは、Chiang Dao Caveという洞窟に着いた。これは自然な洞窟の中に仏像が安置され、また、精霊信仰の像がおかれているというもので、こうもりの巣にもなっているようだった。
車はさらに田舎に進んでいく。ガソリンスタンドも、ふつうの商店のようになり、店内にガソリンポンプを置くなど、なかなか趣がある田舎になっていった。
 
次に立ち寄ったのは、モン(HMON)族、タイ人はMeo族と呼んでいる少数民族の村である。行ってみて感じることは、少数民族というより、貧しい村ということである。子どもたちは外国人、特に白人を見ると「何かちょーだい」と手を出し、裸足で追いかけてくる。周辺に立っている家もボロボロである。しかし、そのような家の中に衛星放送を受信するパラポラアンテナがあった。なぜなんだろう。彼らは貧しいのか。それとも、その貧しさは演出なのか。短時間の訪問では本来の彼らの生活を知ることはできないが、彼らの生活を見物に来ている自分という存在を考えると、なにか、イヤな気分になった。

モン族の村で放し飼いの子豚をみた。子豚もどことなく寂しげだった。

 

昼食を食べ、タトン寺を見た後、このツアーのメインとなるカレン族の村へと向かった。カレン族の村への入り口付近はアカ(AKHA)族の村となっていて、そこからカレン族の村までは歩くか、象に乗って山に入ることになる。20分ほど山に入るとカレン族の小さな集落があった。
村に入ると、周囲を囲むように竹で作った家が囲み、その家の前には首にたくさんのリングを付けた女性たちが、1件に一人ずつ、座って観光客を迎えていた。村の入り口付近にはまだローティーンと思われる女の子たちが並び、村の奥に入っていくと、年輩の女性がいた。
 

 
首長族と言っても、解剖学的に言うと首が伸びているのではなく、肩が落ちていると言った方が正確らしい。彼女たちは寝るときも、あの首輪を付けたまま寝るという。
彼らはその特異な風習を売り物にして、それを見せて生活をしている。土産物として手工芸品も売っているが、それほど売れてはいない。観光業者が我々のようなガイジンツアーを連れてきて、それを受け入れることで、少額のチップをもらって生活しているようである。

村では男たちは、ほとんど外にいなかった。たぶん家の中にいて、何か仕事をしているのだろう。女たちが観光客を相手にしている間、男たちは陰に隠れている。
我々が行ってからしばらくすると、女の子たちは思い思いに遊んだり、集まっておしゃべりし始めた。子どもらしく遊んでいる姿をみると、ほっとするが、今では収入確保のために首長になっている彼女たちの幸せは何なのか、考えさせられてしまった。
 
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※この記事はWebSite”MaiPenRai”からの転載です。そのため表示されている日付は正確ではありません。

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