最近、MNPによる乗り換えの実態が、やっと分かってきました。
僕が携帯を放置している間(?)に、世の中がすごいことになっていたんですね。
簡単に言ってしまえば、携帯電話各社は他社からの乗り換え客を優遇するという政策をとって、利用者数の競争に奔走してきたわけですね。これは、MNP(今使っている携帯電話番号を他社に移すことができる制度)を使って、客の奪い合いになっていたわけですが、かなり不毛な戦いとも言えそうです。
というのも、ドコモが先月まで行っていたMNPキャンペーンを利用すると、他社からドコモのスマホに乗り換えた場合、端末代金を一括で精算してしまった人の中には、今後2年間、毎月、5円を支払うだけで、Xi(クロッシィというドコモの高速データ通信サービス)端末を維持できてしまうという人も、少なからず出てしまったというんです。
しかし、今日付けの日経新聞で、「ドコモ、高速通信サービスのデータ通信料を値下げ
月1000円、低価格路線に対抗」という見出しが躍りました。どうやら、ドコモからのMNP流出が止まらずに、利用者数が減少しているので、秋からデータ通信料を下げると発表したのです。
月1000円、低価格路線に対抗」という見出しが躍りました。どうやら、ドコモからのMNP流出が止まらずに、利用者数が減少しているので、秋からデータ通信料を下げると発表したのです。
下げると言っても、他社のパケット代に近い金額に下げるということであって、それ以下にまで下げる覚悟はないようです。たぶん、利用者の流出は、ソフトバンクやauにはiPhone端末があることや、データ通信料が安いことが原因と分析しているようです。
しかし、ドコモは肝心なことを忘れているような気がします。これまで長年、ドコモの利用者でいた顧客に対して、たいした優遇措置がないということです。先月までのMNPキャンペーンで、この先、2年間、毎月5円でスマホを使い放題している新しいドコモ顧客の通信料は、実質、これまでずっとドコモを使い続けてきていて、大した優遇措置を受けていない長年のドコモ利用者が払ってくれる料金で賄うということになります。これでは、バカらしくてドコモをから他社に乗り換えたくなるのも当然です。
現在の携帯電話会社間の、MNPによる利用者獲得競争は、早晩、限界に到達するでしょう。これまでは携帯電話会社ごとに企画され提供されていたコンテンツ・サービスや端末機能などの違いによって差別化してきたわけですが、スマートフォンの時代になってしまうと、携帯端末を使ってできることの差はどんどん小さくなってきているのです。たとえば、スマホになったら、iモードは、もはや過去のもので、ふつうにネットに接続して情報収集できるようになります。これはソフトバンクもauも同じで、携帯電話会社経由で、いろいろなコンテンツの料金を払うということも減っていくと思います。つまり、帯電話会社が提供する部分は、本来の通信のインフラとしての「通話」と「データ通信」の機能に絞られるのです。
となると、通話とデータ通信の良し悪しが携帯電話会社選びの大切な基準となりますが、回線品質も重要ですが、結局は、毎月の料金とのバランスです。通話については、すでにSkype、Lineなど、インターネットを経由した無料通話が普及してきているので、もう、通話で稼ぐことは難しくなってきています。もう、こうなってくると、たとえば、データ通信サービスのみのプランで、3000円ポッキリとか、分かりやすくリーズナブルな料金プランを打ち出せる携帯電話会社が生き残れるんじゃないかと思います。
ということで、あれこれ考えている間に、携帯電話の買い替え、乗り換えへの僕の情熱は冷めてきてしまい、今は、ちょっと様子を見ようかなと言う気分です。秋には新しいiPhoneも出てきそうだし、それを見てから決めようかなと…思っています。
日本の状況がわかってきて、次に気になるのがタイの状況です。新し物好きなタイ人ですからね。日本人に負けないくらい、スマホに飛びついているはずですが、携帯電話会社は、どんなサービスで競争していくのか、興味があります。もともと、タイの携帯電話会社はコンテンツ料金の徴収や端末販売などでは、あまり儲けていなかったと思いますが、今後、どういう形での競争になるのか。
うーん。
近々、タイに行って、MBKがどうなっているかも視察したいです。