To Err is Human

“To Err is human….”
と聞いて、スタートレックのスポックを思い出したアナタは、
ちょっとオタクかも知れませんね。
あるいは、僕と同じように、オヤヂって感じでしょうか(笑)
“To err is human, to forgive devine”という英語のことわざが
あります。これは、ちょっとスポックの台詞とは、重心が違う
表現というか・・・
「人間は誰でも間違いをおかすが、それを許せるのは神の徳」
みたいなノリです・・・たぶん。
(これは僕個人の解釈ですので、学校で言ったりして笑われても
 責任とれません。)
今回のみずほ証券の誤発注事件のとき、頭に浮かんだのは、
このことわざのほうじゃなくて、スポックの台詞
To err is human…
「過ちをおかすのが人間です」
人間が間違えるのはあたりまえです、ということです。
コンピュータシステムを作るときには、人は間違ったり、
いい加減なことをしたりするということを見越した
インターフェイスを作ることを心がける必要があります。
たとえば、いつも出てくるいくつものダイアログボックス。
あなたは、あまり考えずに、OKボタンをクリックしていませんか?
それで、「あっ!」と思ったこと、ありませんか?
だからこそ、わざとOKボタンを違うところに出したりする
必要があるんです。インターフェイスを設計するとき、OKを
クリックしやすいシステムが良いシステムではないんです。
僕は長年、コンピュータソフト関連の仕事に関わってきたわけですが、
ときどき、メディアで単純な人間の間違いが原因の医療事故が
報道されるたびに、医療器具作りにも、認知科学的知恵を入れて
欲しいと思います。たとえば、胃のチューブに入れるつもりで、
血管に注入してしまうとか、ガスと酸素の管を間違えるとか・・・。
人に注入するものと機械につなぐもの、消化器官に入れるものと血管に
入れるもの・・・同じような形状の管を使っているなんて、馬鹿げています。
●色を変えて人の注意を喚起する
●形状を変えて接続できないようにする
●途中にチェックするための機構を入れ込む
などなど、ちょっと考えただけでも、いろいろな工夫ができるハズ。
“To err is human”
人は間違いをおかすもの。
それを見越した工夫や知恵を見せて欲しいものです。