いまさらですが、2016年9月、バンコク滞在中に、2016年8月に開通したバンコクのMRTパープルライン(Purple Line)に乗ってみましたので、その時の写真を掲載いたします。34枚ありますので、ちょっと多いなぁという感じもしますが、自分の忘備録の意味もありまして、一挙に載せておきます。
まずはMRTをご存知のない方のために、少しだけ、MRTの話をしておきましょう。MRTはMass Rapid Transitの略で、Bangkok Metro Company Limitedが運営している公共交通機関のことを指していまして、これまでは2004年7月に開通した地下鉄のことをMRTと呼んでいましたが、実は、この地下鉄にはMRTブルーラインという名称が付いており、当初からパープルラインを作って接続する計画がありました。当時、僕もバンコクに住んでいて試運転にも乗車したのですが、てっきりパープルラインも地下鉄だと思い込んでいたのですが、2016年8月に正式開通したMRTパープルラインは地上、しかも高架鉄道でした。どうやら、ブルーラインの工事の際に、バンコクの地下を掘ることが想像以上に難しかったようで、そのために高架になったらしいです。そして、本来はブルーライン(地下鉄)が延長してパープルラインのタオプーン駅と接続予定なのですが、川に阻まれていて予定が遅れているらしく、2016年9月現在は、無料シャトルバスによってブルーラインのバンスー駅とパープルラインのタオプーン駅が結ばれていました。
ということで、僕はバンコクの中心部から、まずはブルーラインに乗ってバンスー駅まで行きました。
これはブルーライン(地下鉄)のホームです。ホームドアは東京メトロ南北線などで使われているフルスクリーンタイプ。誤って線路に落ちたりしない構造になっています。
ブルーラインの車内の様子。
スー駅に着くと、あちこちに矢印がありました。パープルラインはこちら、っていう感じで、矢印に誘導されて、地下から地上に出ます。
地上に出ると、フリーシャトルはこちらっていう感じの垂れ幕。ところが、この矢印が指しているのは、すぐ前にある国鉄のバンス—駅で、この駅が大きくて、ちょっと彷徨いました。
この鉄道の駅は、鉄道貨物の積み下ろしが行われていて、そういえば、日本の国鉄でもチッキとかいう貨物輸送があったなぁと、古い記憶が蘇ってきました。それはさておき、結局、フリーシャトルバスは地下鉄の出口を出た近くのバス乗り場でした。フリーシャトルの専用乗り場ではなく、駅前に色々な行き先のバスがやってくるバス乗り場があり、そこでフリーシャトルバスが来たら乗るということでした。
このフリーシャトルに乗っている時間は5分程度。川を渡ってすぐのところに、タオプーン駅がありました。
これが券売機です。切符は、ブルーラインと同様にトークンが使われていました。
ホームは結構高い位置にありました。長いエスカレーターで、どんどん上に。
これが、パープルラインの車輌です。ホームドアはフルスクリーンではなく、柵になっているタイプです。
なぜつり革の写真を撮っているかというと、ブルーラインやBTSスカイトレイン(バンコク中心部で運行されている高架鉄道)の車輌のつり革は、あまりたくさんの乗客が乗ることを想定した配置ではないため、乗客が増えてしまうと、つり革から離れた場所に人が立てないので、ドア付近に人間がかたまってしまいます。
パープルラインのつり革は、日本の電車に近いつり革の取り付け方になっていて、乗客が増えても、安心して立って乗車できるように配慮されているようです。BTSの車輌にあるような3本のパイプのポールも所々に立っているので、もしかしたら、身長が高くない人にとっては、日本の電車よりもつかまりやすいかも知れません。
実は、パープルラインの車輌は、JR東日本グループのJ-TREC(総合車両製作所)が作っています。たしか、BTSスカイトレイン、ブルーラインでは、シーメンス製の車両が採用されていたと思うのですが、車輌製造メーカーの違いが、つり革の配置にも影響を与えているんでしょうね。
記憶ではBTSスカイトレインやMRTブルートレインのときもそうだったと思うのですが、このパープルラインも日本の円借款を活用して建設されたそうです。僕が乗ったときには、まだパープルラインの利用者は多くなく、この沿線には大きな商業地区もない、ただの住宅地だから作っても無駄だという批判をしている人もいましたが、この鉄道ができたことで、この地域に行きやすくなり、住宅地の中にも街ができ、住人もこれまでより楽にバンコク中心部に移動できるようになれば、バンコクという都市がさらに拡大し、交通渋滞の緩和に多少は貢献できるのではないかと思います。
ますます活気づいていくASEANの中心に位置するタイの首都バンコクの人々の暮らしが向上することに、日本のODAや民間の鉄道技術が貢献できたとすれば、タイと日本の絆がさらにまた強くなったのではないかと、タイ・ファンの僕としてはとても嬉しく思います。
でも、今のところ、パープルラインに乗って行ける観光スポットは・・・あまりありませんので、電車に乗りたい方にだけ、パープルラインの乗車をオススメしておきます。