バンコクで生牡蠣食べて食中毒になりました

今年は2月と8月、計2回、タイに行くことができました。

しかし、2月のときには、仕事として行き、なかなか厳しいスケジュールだったので、ほとんど自由な時間がありませんでした。
今度こそはと思い、8月に行ったときには、着いて3日めの朝に生牡蠣の食中毒になり、その後の滞在は、フラフラな感じでした。フラフラしながら、アポを取っていた方々にインタビューしたりしましたが、食事の約束はいくつかキャンセルしました。
前の晩、知り合いの方とタイ料理屋さんで夕食を食べ、その後、ビリヤードをしたり、お酒をしこたま飲んで、ホテルに戻ったのは日付が変わった後でした。
明け方、うとうとしながらも、なんとなく体がほてるような感じがしていました。その日は11時にアポがあったので、午前7時頃に起床。
ところが、まったく食欲がありません。
気持ち悪いというわけではないですが、胃が停止している感じでした。そして、もっと顕著な症状が、倦怠感でした。とにかくだるいというか、起き上がるだけで、ため息がでる感じです。起き上がり、ベッドの横に座りましたが、もう動きたくありませんでした。
「はは~ん、昨日、飲みすぎたな。飲み過ぎで胃がやられたんだろう。」
そう思いました。
でも、今から思えば、あの倦怠感は変でした。
飲み過ぎの翌日は、気持ちが悪いことはあっても、全身の著しい倦怠感にはならないですよね。
とにかく、11時にアポがあるので、ため息をつきながらも身支度をしました。このときはまだ下痢も嘔吐もないので、水だけ飲んで、約束していたオフィスを訪問。本当は、ランチを約束していたんですが、ランチは丁寧にご辞退しました。
そのとき、前夜に飲み過ぎたようで具合が悪いという話をしたら、飲み過ぎなら牛乳を飲むと良いと言われました。あまりにも倦怠感がひどかったので、午後の予定はキャンセルして、コンビニで牛乳を買ってホテルに戻りました。(本当は、食中毒の場合、牛乳は飲んではいけなかったのでしたが、そのときは食中毒とは思っていなかったので。)
午後1時頃にホテルに戻り、牛乳を飲んでから寝ることにしました。
睡眠をとれば回復するだろう・・・ その時はそう思っていました。
時々、目が覚めながらも、倦怠感のため起きる気力がなく、だらだらと夕方まで寝ていました。
時計をみると、午後5時半くらいでした。
相変わらずの倦怠感。食欲ゼロ。
この時点でも嘔吐はないものの、下痢をしていました。
げっぷをすると、ゆでタマゴというか、硫黄のようなニオイでした。
(ちょっと気持ち悪い話ですみません。でも、正確にお伝えしたいので。)
このとき、ふと、変だと気づいたのです。
飲んだ牛乳が何か細菌に分解されているから、このニオイを発しているのではないか。とすると、これは、単なる飲み過ぎではないのではないか。
このとき、ようやく、前夜に食べた生牡蠣のことを思い出しました。
前日、タイ料理屋で生牡蠣を食べたのでした。
そういえば、小ぶりの牡蠣で、元気なさげな感じでした。
とすると、この症状は食中毒!
ということは、寝ているだけでは、早く治せないだろう・・・。
相変わらずの、ひどい倦怠感だったものの、急いで身支度をして病院に行くことにしました。こんなとき、どこの病院に行くかですが、たぶん、バンコクに住んでいる日本人に馴染みがあるのは、バムルングラード病院かバンコク病院です。ホテルからは、バムルングラード病院が近かったので、ホテル前からタクシーに乗ってバムルングラード病院に行きました。
バムルングラード病院はバンコクのスクンビット地区にある巨大な病院です。
外国人の患者も多いため、英語はもちろん日本語でも対応してくれます。
到着してすぐにクリニックビルの10階にある日本人受付に行きました。
日本人の外来患者は、この受付でまず保険書類等を確認しながら、診察の受付をしてもらいます。僕の場合は、クレジットカード付帯保険であったため、その旨を伝えて、手続きしてもらいました。ここでの受付が終わると、各診療科に案内されて、そこで治療を受けるという手順です。
僕が受診したときには、日本人のドクターが診察していました。
症状と経緯を話したところ、やはり牡蠣にあたったことが原因の菌性胃腸炎だろうということになり、念のため検便検査をして抗生物質を処方してもらいました。
その医師が「タイの牡蠣はよくあたるみたいですね」と言っていたのがとても印象的でした。
検便は、抗生物質が効かなかったときのために、食中毒の原因を調べるためのものでした。細菌ではなく、ウイルスだったら、治療法は変わってくるということだと思います。
さて、ホテルに戻って早々に抗生物質を飲んで、PCでメールチェックなどをしていたところ、急速に倦怠感が消えていきました。2時間後には、ため息をつかなくても動ける状態になりました。相変わらず、食欲はゼロでしたが、倦怠感がない体調が、どれほど楽なことか、しみじみと感じました。
その後、抗生物質を5日間の飲み続けて、食中毒は完治しました。
食欲はすぐには戻りませんでした。
抗生物質を飲み始めた翌日の夜、少しだけ食べましたが、まだ食べたい気分ではありませんでした。
日本からの友人が到着したり、タイ在住の友人に会ったりという用事があったため、病院に行った翌々日あたりから、少しずつ食事をとるようになりました。
後日、ネットで牡蠣の食中毒について調べてみましたが、生で牡蠣を食べる場合、食中毒を完全に防ぐ方法はないことがわかりました。日本で生食用として売られている牡蠣は、紫外線殺菌したり、きれいな食塩水の中で数日間おいて、細菌やウイルスを体外に出させたりしているようです。それでも、絶対に安全というわけにはいかないようです。
生牡蠣を食べたとき、一緒に食べた人は食中毒にかからずに、元気でした。
これは牡蠣によって個体差があるので、同じレストランで食事をしたからと言って、別々の牡蠣を食べているために、同じ症状になるとは言えないのです。また、その人は、牡蠣を食べる時には、かならず生ニンニクを薬味として一緒に食べているので、それが殺菌してくれていたのかも知れませんが、ウイルスがついていたらンニクは役に立たないでしょうし、結局、生牡蠣という料理は、同じレストランで一緒に食べても、一つひとつ個別の貝を食べるので、当たりとはずれがあるのだと思います。
ということで、みなさんもタイで生牡蠣を食べるときには、十分に覚悟を決めてからチャレンジしてください。