Vodafoneは親会社がヨーロッパの会社です。
そのため、ドコモやauよりも早くGSMへの対応を始めました。
近年、Vodafoneから発売された多くの携帯電話はGSMに対応していました。
つまり、そういう携帯電話を持っている人は、海外に行く場合に、そのまま携帯電話を持っていけば、現地で電源を入れるだけで国際ローミングを利用できてしまうわけです。
これは音声通話だけでなく、メールなども海外で読むことができるので、料金のことを考えなければ、日本にいるときのように携帯電話を利用することができてしまうわけです。
ということは、よく海外に行く人にとっては、このようなGSM対応の携帯電話がとっても便利ということになります。しかし、国際ローミングの料金は安くありませんから、実際によく利用する人はビジネスユーザーなのではないかと思います。
そこで、頻繁にタイに行く人は、現地でGSM携帯電話を購入して、現地のプリペイド式のSIMカードを購入しています。現地でGSM携帯電話を買うと、安いものでも1万円、高いものは10万近くするのですが、プリペイド式のSIMを手に入れれば、通話料は格安になります。タイの物価水準の料金体系ですから、国際ローミングとは比較になりません。
でも、海外では携帯電話の端末はかなり高いのです。
日本では、よく量販店で1円とか10円とか、破格の値段で売られていますが、海外ではそんなことはありません。では、なぜ、日本では安く携帯電話の端末が売られているのでしょうか?
理由は簡単です。
日本では携帯電話の端末を売っているのは、携帯電話サービス事業者、つまり、ドコモとかVodafoneとかauなのです。そして、これらの会社は、毎月の基本使用料と通話料で儲けることができるという前提で、携帯電話端末を安く販売することができるのです。
というか、実は、もうちょっと事情は複雑なのですが、Vodafoneを例にとると、携帯電話ショップが新規のお客さんを1人獲得して携帯電話を販売した場合には、Vodafoneからショップに対して報奨金が支払われます。(2006年第1四半期には1台につき44,000円支払われたという情報を読んだことがあります。)
つまり、ショップには店頭販売価格とこの44,000円が売上となって入ることになります。
Vodafoneは、この44,000円を、その後の毎月の基本料金で回収しようと思ったわけです。
ところが、GSM対応の携帯電話にしたことで、その思惑がうまくいかなくなってしまったのです。