もう随分と会っていない友人のKさんは某大学で教授をしているのですが、最近、彼のブログを発見して、ときどき覗き見しています。このごろ、インターネットを使ったメディアを通じて旧友と再会することがあります。Kさんとの再会もそうですし、SNSのmixiを通じた再会もあります。
昔、雑誌『ログイン』が創刊された頃、表紙には「コンピュータとコミュニケーションの雑誌」であることが記されていました。コンピュータとコミュニケーション技術が融合して、距離、時間を越えて人と人とをつなぐことができる時代になりました。あの頃、ログイン編集部にいて夢見ていた未来が現実になり、長く疎遠になっていた友人たちとも繋いでくれるなんて、こんなに嬉しいことはありません。
ところで、Kさんのブログに『手紙』という記事がありました。それを読んでいて、僕は小学生の頃を思い出しました。
小学4年生の頃、僕は手紙を書くのが大好きでした。と言っても、何十年も昔のこと。ワープロなんて陰も形もありませんから、すべて手書き。しかも、送る先はテレビ局や会社でした。たぶん、きっかけはテレビ局に宛てた番組に関する手紙だったのだと思います。いわゆるファンレターのようなものを書いたりしていたのです。今でも手書き文字は汚いのですが、小学4年生のときの僕が今より上手くかけたはずもなく、きっと、読みにくかったことだと思います。
ところが、小学生から来たきたない字の手紙が功を奏したのか、返事をいただけることが多かったのです。例えば、『スパイ大作戦』が大好きだった僕は、フジテレビに宛てて、これからどういう話が放送されるのかということを質問したのです。すると、フジテレビから、ちゃんと返事をいただき、さらには『スパイ大作戦』の編成スケジュールまで送っていただきました。今から思うと、本当にありがたいことだと思います。
単なる『テレビオタク』だった小学4年生は、こうして手紙を書くと返事がもらえるという楽しさを知ってしまったため『手紙オタク』にもなりました。手紙を投函してしばらくすると、返事が待ち遠しくなり、毎日、郵便受をチェックすることが日課になりました。そのときの『手紙』は、僕にとって、距離を越えて、また世代を超えて、あるいは社会的な立場を超えて、いろいろな人と(特に、親や先生以外のおとなと)コミュニケートできる道具でした。おとなになってから、僕がコンピュータと関わりながらも、いつもコミュニケーションにこだわってきた原点は、この『手紙オタク』だった過去にあるような気がします。
今、インターネットを通したコミュニケーションで、距離、世代、国境、階層などなど、さまざまな境界を越えて、人と人とが出会うことができるようになりました。この道具が、もっともっと人と人との結びつきを強くするのに役立って欲しいと思っています。
ところで、僕のブログ(Movable Type)は自動的にTBするように設定してみてあるのですが、件のKさんのブログfklab.netにトラックバックしようと思ったら、海外からのアクセスを禁止されていました(涙)。ということで、日本に帰ってからTBします(笑)