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タイの乗り物

今週火曜日に早稲田大学で行われた
スウィット・シマサクン(Suvidhya Simasakul)タイ王国特命全権大使の講演のとき、質疑応答の時間があり、その中でたぶん早稲田大学の教員だと思われる方から質問がありました。
その方の質問は話が長くて気絶しそうだったのですが(笑)、質問の中で、彼が会ったタイ人留学生の多くが、日本人は電車の中でお年寄りや妊婦に席をゆずらないことにとても驚いているという話がありました。
この質問に対する大使の答えもまた長かったのですが(笑)、大使はタイ人留学生もまた日本でマナーを学んで帰国する例として、タイではBTS内で大声で電話で話をしているが、日本に留学した学生は、そういう行為がよくないことだと学んで、留学から戻ってからは電車の中で大声で話をしなくなるという話をされていました。
さて、件の質問者の話はともかく、僕もタイに住んでいるとき、BTSスカイトレインの中で、タイ人が他の人に席をゆずる光景を頻繁に見かけました。
基本的に席をゆずるのは弱者に対してのやさしさだと思います。
なので、対象となるのは、年寄り、妊婦だけではなく、小学生以下の小さな子どもに対しても席をゆずっています。ゆずるのは、たぶん18歳以上40代くらいまでの男女です。BTSでは女性も、よく子どもに席をゆずったりしています。
タイに行ったばかりの頃は、ずいぶんと皆やさしいなぁと思ったのですが、ソンテウというトラックを改造した小さな乗り合いバスに乗ったとき、その本当の理由がわかったような気がしました。
このソンテウという乗り物は、トラックの荷台の両側に腰掛をつけ、上にホロをかぶせたようなもので、後ろの部分は乗降しやすいように、扉も何もありません。
このような乗り物で立ったまま乗っていて急発進されると、本当に後ろから落ちるのではないかという恐怖感があります。そこで、ソンテウでは、力が弱い人たち、つまり子ども、年寄り、女性はなるべく座らせるということになるのです。男はなんとか腕力でしがみついて乗っていくわけです。
この習慣が身についているため、タイ人はBTSでも、どんどん席をゆずっています。
だから、タイの乗り物には「優先席」(昔のシルバーシート)を作る必要はないんです。
すべての座席が優先席。
タイ王国の大使の話を聞きながら、様々な日タイ交流を通して、日本の若い人にもタイの良いところをどんどん学んで欲しいと思いました。

タイ王国大使講演会 @ 早稲田大学

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昨日、タイ王国大使の講演を見に早稲田大学に行きました。
「日タイ修好120周年」と題したものですが、講演とかレクチャーというほど、まとめられたスピーチではありませんでした。
スウィット・シマサクン(Suvidhya Simasakul)タイ王国特命全権大使。
講演会の会場に入場するときに、タイ大使館広報文化部が発行した小さな本を手渡されました。
講演では、大使はこの本の中からいくつかの出来事や日タイの交流の証拠になるものを抜粋して、日・タイの長い友好関係について語られていました。
まったく原稿のないスピーチであったわりには、大使の人柄の力もあるのでしょうが、とても和やかに興味深く、お話をうかがうことができたと思います。
この小さな本、思いのほか、よくまとまっているような気がします。
最初、手渡されたときには、よくある観光パンフレットのような内容かと思ったのですが、開いて読んでみると、僕も初めて聞くような話がたくさんありました。例えば、東京女子大学の創設者、安井てつが、タイに3年間滞在して、タイで始めての女学校「ラーチニー女学校(皇后女学校)」を創設した話。あるいは、沖縄の泡盛は、タイのラオロンが伝わって、沖縄で作られるようになった話・・・など。
もっと大きな版形の本にして、内容も詳しく作っていただけると嬉しかったなと思いましたが、この本の目的は学術資料ではなく、長く続いている日本とタイの友好関係を一般の人たちに知ってもらうことなのですから、これはこれで良いんだという気がしてきました。
タイ王国大使館に行けば、たぶん、入手できるのではないかと思いますが、その他イベントなどでも配布されているのだと思います。機会があったら、ぜひ手にして、日本とタイの友好交流の歴史を読んでみてください。
※会場内は撮影禁止だったので、大使の写真はありません。残念。