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Theravada Buddhism ~上座部仏教~

言うまでもありませんが、タイは国民の94%が仏教を信仰している仏教国です。(ちなみに、イスラム教徒は5%、キリスト教徒は1%)でも、タイで見る仏教は日本の仏教とは違うと感じている人も多いと思います。

仏教は大きくは2つに別けることができ、その一つが、タイ、ミャンマー、スリランカなどで信仰されている上座部仏教(上座仏教ともいう)で、英語ではTheravada Buddhismと言われているものです。一方、日本や中国、チベットで信仰されている仏教は大乗仏教(Mahāyāna Buddhism)と呼ばれます。この大乗仏教に対して、上座部仏教を小乗仏教と呼ぶ場合もあるようですが、これは大乗仏教側からの呼称で差別的と考えられる向きもあるので、上座部仏教または上座仏教と覚えておいたほうが良いでしょう。
タイで生活していると、よく「タンブン」という言葉を聞きます。この「タンブン」は言うならば「徳を積む」ということです。曜日や自分の誕生日にお寺に行って行う、喜捨や寄進もタンブンだし、自らが出家することもタンブンとされています。タイ人が他人に対してとても親切だったり、世話好きなのは、このタンブンの精神が根底に流れているからで、他人のために何かすること、そういう自己犠牲の行為が徳を積むことになると考えているためです。
タイの男性は、一定期間だけ出家するということがあります。子どものうちに出家する(12歳~19歳:沙弥)場合もよくあり、大きなお寺に行くと、少年僧がたくさんいるときがあります。また、おとなになってから、一度、出家して数ヵ月を僧侶として過ごすということもあります。一度出家しても還俗が容易で、出家することがタンブンであり親孝行とも考えられているため、タイにおいて出家は珍しいことではありません。
昔、バンコクでタイ語を習っていたときに、この出家の話が出て、僕もいつか出家してみたいという話をしたことがあります。いまだに出家した経験はありませんが、そのときのタイ人の先生(女性)は、僕が出家するときには黄衣をくれると言っていました。剃髪して、早朝から托鉢をして、正午までしか食事ができない生活は、今の僕の生活とはあまりにも違いますが、出家することで心をリセットできるのではないかという期待もあります。ちなみに、出家中は働くことはできないようですが、公共の乗り物の運賃は半額になり、病院での治療は無料(病院からのタンブン)のようです。外国人の出家を受け入れているお寺もあるようで、そういうお寺に行けば、たぶん、英語が話せる僧侶に指導していただけるんじゃないかと思います。

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ちなみに、チャオプラヤ川のエクスプレスボートなどの公共交通機関で、僧侶用のスペースや席が確保されていますが、これは僧侶が女性に触れてはいけない戒を守るためだと思います。上座部仏教では、出家すると227の戒を守らなければなりません。女性に触れてはいけないのもその一つ。ですから、女性がお寺で僧侶に物やお金を喜捨するときなどは、布の上に置いてやりとりしたりします。
このように、タイで見かける仏教は、日本のそれとは違い、敬虔な仏教徒が多く、また、仏教が人々の生活の中に溶け込んでいます。タイに住む場合には、タイ人にとっては仏教が大切な存在であることを心にとめておいてください。
タイの仏教についての専門的な話に興味がある方は、ネットで調べたり、あるいはタイ仏教入門などの書籍を読んでみてください。

こどもの出家

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家出ではなく出家です(笑)
4月初め、バンコク郊外のお寺に行ってみると、たくさんのこどもたちが頭をツルツル坊主にして袈裟を着て食事をしていました。(午前中でしたので。)
夏休み限定の出家です。
実際に何日間出家するのかはわからないですが、一時的に、家を離れてお寺に入ります。
そして、学校が始まる前には環俗するというわけです。
でも、育ち盛りなのに、ご飯は午前中だけなんて大丈夫なのでしょうか。
それとも、こども版の出家は、それほど厳しくないのでしょうか。

出家する!?


タイでは一般の男性が出家することがあります。人生のうち、一度くらい、一定期間出家して、環俗するわけです。期間もいろいろで、個人のスケジュールに合わせて、また、お寺側のルールに従って出家します。
ブワット(出家する)
学校が休みの期間に、こどもをお寺に集めて合宿のようにブワットさせるなんてこともあるようですが、大人になってから、1ヵ月とか3ヵ月とか、区切られた期間だけ、出家する習慣があります。これは自分の来世のために徳を積むという意味もあるのでしょうが、どちらかというと親孝行の意味合いが強いようで、親は息子が出家してくれると嬉しいようです。
出家する際には、俗世間から離れるための儀式があり、重要なのは剃髪です。髪を剃るだけでなく、眉毛も剃って、仏に仕える身となります。お寺によっては、外国人も受け入れているところがあるようで、日本人も含めて、外国人で出家経験がある人も少なからず存在するようです。
タイのお坊さんは、とても尊敬される立場です。人々は丁寧なワイ(合掌)をしてあいさつしてくれますし、病院に行っても無料で治療してもらえます。たとえ、1ヵ月だけのにわか坊主であっても、出家している期間はお坊さんとして扱われるのです。だからと言って、出家してまで病院に行くこともないですが。
タイ語を一生懸命に勉強している頃は、僕も一度は出家してみようかと思っていましたが、でも、最近は、眉毛がない姿をさらすのはどうかなぁと思ったりもしています。
でも、まぁ、いつか、機会があったら、短期間の出家はチャレンジしてみたいと思っています。

触ってはいけません! ~Space for Monks~

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タイの街を歩いていると、よくお坊さんと遭遇します。お坊さんは、街の風景にとけこんでいて、移動には公共交通機関を利用することが多いのです。またタイでは、男性は短期間出家することもあります。出家の期間は人それぞれで、1週間のこともあれば、もっと長いこともありますが、出家している間はお坊さんであり、周囲の人にもお坊さんとして扱われ、敬われます。タイでは、子どもは親孝行として、このように短期間出家することもあり、また、自分の心の浄化のためにも出家しているんだと思います。
さて、タイのお坊さんには、守らなくてはならない戒律がたくさんあるのですが、日本のお坊さんの世界とは違うんだなぁと思うルールに、女性に触れてはいけないという決まりがあります。日本では結婚もできる宗派があると思うのですが、タイでは指1本、触れてはいけないのです。これは性欲を断ち切るために、女性に触れてはいけないというルールができたのだと思いますが、このため、混雑した乗り物などでは、女性はお坊さんに触れないように配慮してあげなければなりません。
写真は、チャオプラヤ川を運行しているエクスプレスボート内に書かれている”Space for Monks”というサインです。乗船入口から階段を下りてすぐのあたり、座席が並んでいる後ろの位置にあって、お坊さんは人にぶつからないように、ここに立つということなんでしょう。
でも、ときどきニュースで、どこかのお坊さんがお酒を飲んで、女性を部屋に連れ込んで淫らな行為をしていたなどと聞くことがあります。
僕なんか、煩悩の塊みたいなものですが、そういうニュースを聞くたびに、お坊さんもなかなか煩悩は捨てられないんだなぁ~と思います。