タイ人観光客が言う「ウ~マミ」とは?

本年(2013)7月1日から、タイ国民に対するビザ免除が実施されました。これは、日・ASEAN友好協力40周年を契機としたビザ緩和ということですが、もちろん、海外から日本に来る観光客を増やそうという政策を進める上で重要な具体的措置でもあると思います。このビザ緩和により、IC一般旅券を持っているタイ人が、15日以内の滞在期間、観光を目的として訪日する場合には、ビザを取る必要がなくなりました。(同時に、マレーシアもビザ免除が実施され、他のASEAN国に対しても、ビザの数次化や滞在期間延長等の緩和措置が実施されています。)

このビザ緩和については、たしか6月に発表され、7月1日から実施されているのだと思いますが、観光庁の統計を見ると、すでに7月の外国人観光客数に大きな影響を与えているようです。速報値ですが、7月に日本に来た外国人旅行客は100万31,00人。そのうち、タイ人は30,200人。2012年7月のタイ人観光客の数は16,347人でしたから、去年に比べて今年は84.7%増加したことになります。

最近は、日本のテレビニュース番組でも、タイ人観光客の様子を取材して放送することが増えてきました。富士山周辺に行ったり、都内の観光地を見たり、買い物したりする姿は、タイ人らしく旅行を楽しんでいて、微笑ましい感じがするんですが、食事のシーンで日本食を食べながら「ウマミ」と言っているタイ人が数名いることに気づきました。もちろん、「オイシ」と言って、美味しいと感想を言っている人も多いのですが、「ウマミ」?

このウマミという言葉、日本人は、おいしいという感想を言い表すときには使いませんが、どうやら味の素がタイで放送しているCMで使われているようで、それがタイ人に浸透しているということのようです。

タイ味の素CM「ウマミ」

 そして、どうやらこれはタイだけではなく、味の素のグローバル広告戦略の一つのようで、味の素のウマミについて他の国でもCMを流していて、それらのCM中では日本語の「ウマミ」をそのまま使っているようです。

タイ人が新宿のレストランで「ウ~マミ」と言っている姿はかわいいんですが・・・でも、正しい日本語を考えると、そういうときには「ウマい」という言葉を使うんだと覚えて欲しいなと、ニュースを見ながら思ったりしています。もっとも、「オイシ」も、タイの外食チェーンの店名から「美味しい」という意味だと覚えているので、最後のシを伸ばして、「おいしい」ということも、日本旅行を通して知ってもらえると嬉しいですね。