先日、タイの友だち(某国立大学在学中の女子大生)からメールが来ました。
「ノボくん、Vodafoneの703SHを日本で買うといくらですか?」
メールには、もっと詳しい事情が書かれていたんですが、その話に入る前に背景事情について簡単にお話したいと思います。
まず、知っておかなければならないのは、日本の携帯電話は、世界の携帯電話事情から見ると特殊だということです。これまでは、日本の携帯電話は日本でしか使えないものでした。
一方、海外の携帯電話は、GSM(Global System for Mobile Communications)という規格で作られていて、アジア、ヨーロッパを中心に100カ国以上で同じ規格を使っています。
そのため、ヨーロッパやアジアでは、基本的に同じ携帯電話が売られていました。携帯電話の端末はふつうの電気製品のようにハードウェアとしてお店で購入して、携帯電話サービス事業者とは、別の方法で契約をして、その結果、SIMというICカードを手に入れて、それを携帯電話端末の中に入れれば使用できるという仕掛けになっています。
ときどきヨーロッパからの旅行者がタイで自分の電話を使って通話をしているのを見かけてたりしますが、これはタイでレンタルの携帯電話を手に入れたわけではありません。(たまには、そういう人もいるでしょうけど。)これは、『国際ローミング』というサービスを利用しています。
例えば、ドイツの携帯電話会社とタイの携帯電話会社が提携している場合、そのドイツの会社の電話番号を使っている携帯電話を持って、タイ来ると、そのままドイツで使っていた携帯電話を使って、電話を受けたり、電話をかけたりできます。
このように、海外に行って、その土地の携帯電話会社のネットワークを使って、自分の携帯電話を使うことをローミングと呼んでいます。
このとき、携帯電話の番号も、携帯電話の端末も、ドイツで使っているものをそのまま使えるというのが、同じGSM規格同士のローミングの特徴です。
この場合の料金はどうなるのか・・・
通常、このドイツを例にとると、ドイツの友だちがその人の携帯番号(ドイツの番号)にかける場合、ドイツ国内の通話料はかけた人が負担します。しかし、国際ローミングをして、タイにるときにどの電話を受けてしまうと、ドイツからタイまでの国際電話料金は、受診した人(つまり、あなた)が負担することになります。ただし、もしも、あなたがその携帯からタイのローカルに電話をかけた場合は、タイのローカルの通話料を払うことになります。ちなみに、ここでいう通話料というのは、ドイツの携帯電話サービス事業者が設定している料金のことで、タイ側の携帯電話会社の料金設定とは違います。
さて、それでは、日本の旅行者の場合はどうか・・・。
日本は、以前はGSMに対応している携帯電話はほとんどなかったために、事前に手配しておけば、宅配便を使ったり、空港手渡しで海外で使えるGSM携帯電話をレンタルして国際ローミングするというサービスを使っていました。携帯電話の端末を交換すれば、先ほどのドイツの例と同じように、国際ローミングが利用できましたが、問題は、いちいち手続きをして、携帯電話をレンタルしていかなければならないことです。
現在では、日本でも第3世代の携帯電話になって、USIMというICカードを取り出せるようになってきたので、多くの携帯電話では、海外に行ったときGSM携帯電話を自分で用意して、そこに日本で使っているUSIMをさすと、国際ローミングできるようになってきています。
しかし、日本で使っている携帯電話を海外に持って行ってそのままローミングということは、あまり、まともにはできずにいました。
そんな日本の携帯電話の国際ローミングを変えてきたのがVodafone(現在のSoftbank)です。