タイの携帯電話事情(2002年版)

タイにいてもつながってる!? ~タイの携帯電話~
『携帯電話がない生活なんて、考えられな~い!!』と思っているのは、日本の若者ばかりでなく、タイの若者も、この便利な通信手段を活用しています。バンコクはもちろん、ノンカイというラオスとの国境の町でも携帯電話の電波は届いていました。勝手な推測ですが、利用可能地域はかなり広いのではないかと思います。というか、むしろ、開発途上国の場合、有線で個々の家庭に有線電話線を張り巡らせるより、人口分布を考えながら、携帯電話のアンテナを設置したほうが、てっとり早く電話機能を国土に普及させることができるのではないでしょうか。
とはいえ、タイで携帯電話の新機種を買うと、1台数万円相当の支出になってしまいますから、学生にとっては、かなり高価な買い物となります。しかし、それでもタイの大学生以上の若者は、携帯電話を手にしっかり握って歩いていたりしています。そう。タイの人は、携帯を手に持って歩いていることが多いような気がします。少なくとも2002年夏の時点では、タイでは携帯にストラップを着けたり、携帯を首からぶらさげている人はあまりいませんでした。というのも、それまで市場に出ていた機種は、ストラップを着けられない構造だったからです。もっとも、タイでは携帯を手に持って歩くことが、カッコイイのかも知れませんね。
外国人である僕たちも、この携帯電話を利用しない手はありません。友人とタイに旅行して現地で別行動するとき、あるいはタイに出張で行くなど、現地での連絡を頻繁に取れるようにしたいという人には、やはり携帯電話が便利です。そこで、タイ滞在中に携帯電話を使えるようにする方法をご紹介しましょう。
タイ人の友だちの名義借り!?
仕事、遊びなどで、タイに頻繁に行く人の場合、タイ人と同じように通常の携帯電話利用契約をしてしまいたいと考えるかも知れませんが、外国人が通常の契約をするためには、タイでの就労ビザを持っていなければなりません。いわゆるワーク・パーミット(Work Permit)と呼ばれるものです。大学などに正規留学している方の場合は・・・わかりません(笑)。タイによく行く日本人の中には、知り合いのタイ人の名義で契約を結ぶという人も、かなりいるようです。仲の良いタイ人がいるなら、いっしょにMBKなどの携帯ショップに行ってもらって、携帯電話を購入して契約を済ませることができるでしょう。しかし、電話料金の債務は、その友人にかかることになりますし、自分でお金を出して携帯電話を買っても、なんとなく友人に借りているような変な立場のままになります。
しかし、ワーク・パーミットを持っていない外国人でも(旅行者でも)、タイで問題なく携帯電話を手にする方法があります。それはプリペイド式の携帯電話を買うという方法です。
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タイのプリペイド式携帯電話
タイのプリペイド式携帯電話サービスは、AISとDTACという2つの会社が提供しています。どちらの会社も、携帯電話機、SIMカード、リフィルカード(携帯利用権数百バーツ分)をセットにしたパッケージと、SIMカードとリフィルカードだけで電話機本体は含まないパッケージを販売しています。携帯電話機本体とセットになっているものは、数種類の機種が販売されていて、機種によって価格が違いますが、比較的安価な電話機がセット販売になっているようです。
これらのセットは携帯電話ショップで取り扱っています。左の写真のPromptと書かれている箱はDTACのパッケージで、Nokiaの電話機とセットになっているものです。現在は、名称が変更されて"DPrompt"(ディー・プロンプト)と呼ばれています。(ちなみに、AISのプリペイド式携帯電話の名称は、"One-2-Call"ワンツーコールです。)
このようなパッケージを買って、携帯電話を充電すれば、すぐで電話を使うことができます。最初のセットに付いていたリフィルカード(電話利用権)を使い切ったら、携帯電話ショップで写真のようなプリペイド式のリフィルカードを購入すれば、電話料金を補充することができます。
リフィルカードはDpromptの場合、300、500、800、1200の4種類あり、それぞれ表記金額分の通話料と100日間の使用料が含まれています。つまり、通話料を使い切ったとしても、そのリフィルをインプットすることで100間分の通話の受信はできることになります。(受信には通話料は不要です。)ちなみに、One-2-Callでは、300(30日)、500(50日)、800(100日)、1500(200日)と受信可能になる日数が異なります。
また、リフィルカードが切れて通話できなくなってから、一定期間(はっきり覚えていないのですが、数十日程度だと思います)はSIMカードは有効になっています。しかし、その期間を過ぎると無効になり、それまで使っていた電話番号が使用できなくなってしまいます。その場合には、電話機本体を含まないStarter Kitを購入すれば、電話番号は変わってしまいますが、前の携帯電話を使用することができます。しかし僕の経験では、実際に使用すると、自分から発信できないと不便なため、どんどんリフィルを追加するので、受信可能日数がどんどん加算され、有効期限もそれに伴ってどんどん延びていきます。
ただし、プリペイド式携帯電話を利用する場合には、マニュアルを読んだり、利用料残高を電話で確認したりするために、英語またはタイ語の理解力が必要となりますので、ご注意ください。
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レンタルする?
タイには初めて行く、あまり頻繁に行かないが電話は欲しい、という人のためには、レンタルの携帯電話があります。レンタルと言っても、日本から借りて行く方法と現地で借りる方法の2種類があります。提供している会社によって、サービス内容や料金も異なってくると思いますので、ここですべてを説明することはできませんが、代表的な例を挙げてみましょう。
もしも、あなたが日本で利用している携帯電話がドコモの場合には、World Walkerというサービスがあります。あなたがタイに行く数日前(どこで携帯電話を受け取るかによって異なりますので詳細はドコモのページで見てください)までに申し込むと日本国内で海外で使える携帯電話を受け取ることができます。料金は、機器使用料が1日1000円、1ヶ月で20,000円です。タイで国内電話をかける場合には150円/分、国際電話の場合には350円/分という明瞭会計システムです。
このWorld Walkerの場合、注意しなくてはならないのは、日本でふだん使っている携帯電話に電話がかかってくると、それが海外の携帯電話に転送(厳密にはローミングと呼びます)されてくるということです。それは便利じゃないの!と思っているかも知れませんが、便利なことはともかく、日本からタイまでの通話料は、あなたが負担することになります。日本から電話が転送されないようにするためには、留守番電話サービスをオンにしておく必要があります。
もう一つ、注意しなくてはならないのは、あなたのタイの友人が目の前にいるあなたに電話をしようとする場合でも、その友人は、たぶん国際電話であなたの日本の携帯電話に電話をしなければならないということです。僕はWorld Walkerを利用した経験がないので、もしかしたら誤解している点があるかも知れませんので、ご利用する前に必ず、NTTドコモに確認してください。
この他、海外旅行の際に日本国内で海外用の携帯電話をレンタルできるところがたくさんあるようですので、自分の利用方法に合ったところを選んでください。
また、タイ国内でも携帯電話をレンタルしてくれるところがあると思います。手元にある某クレジットカード会社の冊子には、『ワールド・メディア』というお店が、ドンムアン国際空港国際線第一ターミナル1F到着ロビーにあると書かれています。最新情報ではないかも知れませんので、行く前に確認をしてからご利用ください。
ヨーロッパに住んでいる人は・・・
もしも、あなたがヨーロッパの国に住んでいてGSM携帯電話を持っているなら、ここまでの話で、タイはGSM携帯電話を使っているのではないかとお気づきかと思います(笑)。そうです。そのとおりです。タイでは他の方式もあるようですが、GSM携帯電話が広く使われていますから、GSMのローミングが可能です。ふだん使っている携帯電話を持ってくれば、World Walkerのように、たぶんそのままタイで使用することができます。 たぶんと書いたのは、あなたが利用している携帯電話会社や契約内容によって、タイでのローミングがそのままできるかどうか、僕には分からないので、ちょっと不確かなのです。タイ以外のアジアの国でGSMを利用している場合も契約形態がわかりませんので、タイに行く前に、自分の携帯電話の利用契約などを確認してください。また、北米のGSMは特殊なので、ローミングは不可能かと思います。
GSM携帯電話なら、なんでもOKか!?
だんだんマニアックな説明になってしまっています。ごめんなさい。GSM携帯電話なんて、よくわからないという方は、読み飛ばしてください。GSM携帯電話をすでにお持ちの方への、これまた不確かな情報ですが、以前は、タイ国内で使用するGSM携帯電話はタイ国内で販売されたものでなければなりませんでした。SIMカードが携帯電話をチェックして、タイ国内で販売されたものでないことを識別していたのです。が、最近、その制限が撤廃されたという報道がありました。僕自身、確認したわけではありませんが、どの800/1800 GSM携帯電話でも利用可能となれば、お手持ちの携帯電話をタイに持っていき、プリペイドの電話機本体なしのパッケージを購入すれば、タイで携帯電話を使えるようになります。
たぶん、ですけどね(^_^;;;
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※ちなみに、タイでGSMと言うと、特定ネットワークキャリアの携帯電話サービスと思われるようですので、誤解される恐れがあります。ご注意ください。

AIS One-2-Call AISは日本で言えば、NTTドコモ!?政府閣僚の某氏が経営するとかで、会社としては安定しているものの、オフィスに行って何か交渉したりする場合には、融通が利かないこともあるかも。タイで携帯電話機が高額だったことや、タイで販売された携帯電話機しか使用できなかったのは、誰かが独占的に・・・。うーむ。
DTAC DPrompt じゃ、こっちはタイのJ-Phone?がんばっているみたいだけど、イマイチ、AISブランドと比較されると軽く見られているような・・・。僕はDPrompt使ってたけど。
World Walker NTTドコモのWorld Walkerサービスの説明ページ。これはテキストのみのページなので、ちょっと簡素。もっとゴージャスな説明が見たいときには、ドコモのサイトから、携帯電話のサービス説明を探してみてください。
g-phone 携帯電話レンタルの会社は、結構、多いみたいだけど、聞いたことないところばかりで、なんか不安。これは、JALのページからリンクされていたので、ちょっと安心かなと思って。JAL以外の航空会社や大手旅行代理店とも提携しているようです。


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※この記事は旧サイト『マイペンライ』からの転載です。

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